令和5年度 大分岡病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 21 110 203 157 221 441 620 1399 1134 424
●指標の説明
令和5年4月~令和6年3月の期間、一般病棟の年齢別階級(10歳刻み)の患者数を示します。
●解説
当院は地域医療支援病院であり質の高い医療を幅広い年齢層の患者さんに提供しています。
60歳以上の患者さんが約8割を占め、虚血性心疾患や不整脈、閉塞性動脈硬化症などの疾患の患者さんが多く見られます。消化器センターの充実に伴い、内視鏡検査・治療の患者さんも増えています。
小児科の常勤医師は不在ですが、小児、10代の患者さんの多くはマキシロフェイシャルユニット(口腔顎顔面外科・矯正歯科)の口唇口蓋裂や顎変形症の疾患です。
このような患者さんの年齢構成になっていることから、地域の医療機関から幅広い領域の疾患に対して積極的に紹介を受け入れていることを示していると考えられます。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 114 3.31 3.05 0 71.46
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 57 4.4 4.26 0 71.42
050130xx9900x0 心不全 55 18.04 17.38 12.73 83.82
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 53 2 2.03 0 58.94
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 39 4.05 4.57 0 67.36
●指標の説明
診断群分類:患者さんの病名と行われた医療行為等の組み合わせにより様々な状態の患者さんを分類するものです。  
DPCコード:診断群分類を表すコードです。病気と治療方法の組み合わせによって分類されますので、同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは異なります。
●解説
心臓血管外科と共に心血管センター内に属し、主に心疾患および末梢血管疾患の診療を行っています。虚血性心疾患・末梢血管疾患や不整脈に対する治療(経皮的冠動脈インターベンション・末梢血管インターベンション・ペースメーカー植込術等)を積極的に行い、また心臓リハビリ治療に力をいれ、他職種のメディカルスタッフとチーム医療を行っています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) 27 17.82 21.52 11.11 66.41
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 27 7.41 7.57 11.11 74.19
050050xx0111xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 24 21.5 26.66 4.17 68.08
050161xx97x1xx 大動脈解離 23 23.52 28.09 56.52 71.39
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 17 20.82 19.20 17.65 75.88
●指標の説明
診断群分類:患者さんの病名と行われた医療行為等の組み合わせにより様々な状態の患者さんを分類するものです。  
DPCコード:診断群分類を表すコードです。病気と治療方法の組み合わせによって分類されますので、同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは異なります。

●解説
成人心臓血管手術(心臓弁膜症、狭心症、心筋梗塞合併疾患、胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤、不整脈、閉塞性動脈硬化症に対する手術など)を全般的に行っています。2014年から開始した完全内視鏡下心臓手術の認知度も上がってきており手術成績は良好です。また当院の心臓血管外科は透析患者さんの内シャント造設術、内シャント血栓除去術を行っており、紹介患者さんを多く受け入れているため症例数が多くなっています。
※治療内容や病状によりDPCコードが細分化され分散しています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx02000x 胆嚢炎等 68 7.35 6.87 7.35 68.13
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) 60 4.25 4.55 0 69.27
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 49 5.16 5.98 2.04 63.59
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 45 2.31 2.61 0 69.96
060150xx03xxxx 虫垂炎 25 5.08 5.29 0 48
●指標の説明
診断群分類:患者さんの病名と行われた医療行為等の組み合わせにより様々な状態の患者さんを分類するものです。  
DPCコード:診断群分類を表すコードです。病気と治療方法の組み合わせによって分類されますので、同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは異なります。
●解説
外科では消化器・一般外科として胃癌、大腸癌、肝臓癌、膵臓癌、胆嚢癌、胆嚢結石症、急性虫垂炎、胃十二指腸潰瘍穿孔、癒着性イレウス、腸管壊死、鼠径ヘルニア等の手術を行っています。1991年に腹腔鏡下胆嚢摘出術を導入して以来、腹腔鏡下手術に力をいれ、現在では胃癌、大腸癌、急性虫垂炎、胃十二指腸潰瘍穿孔、癒着性イレウス、鼠径ヘルニア等においても積極的に行っており、腹腔鏡下手術は全手術の約2/3を占めています。近年、整容性に優れた低侵襲性手術である単孔式腹腔鏡下手術を胆嚢結石や虫垂炎に対し行っています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 327 2.28 2.61 0 68.28
060035xx04xxxx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 48 4.98 6.45 0 68.48
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 37 10.03 8.75 8.11 81.54
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 32 8.41 7.61 3.12 77.72
060100xx99xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 28 2.57 3.00 0 77.5
●指標の説明
診断群分類:患者さんの病名と行われた医療行為等の組み合わせにより様々な状態の患者さんを分類するものです。  
DPCコード:診断群分類を表すコードです。病気と治療方法の組み合わせによって分類されますので、同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは異なります。
●解説
2016年10月より大分大学医学部消化器内科学講座より消化器内科医師が派遣されるようになりました。2018年4月より現行体制となり、早期胃癌に加えて、早期の食道癌・十二指腸癌・大腸癌に対しても内視鏡的粘膜下層剥離術を導入し、現在、積極的に治療を行っております。また、胆道系治療(ERCP)など最新デバイスを使用し高度な技術を持って対応できる環境になり超音波ガイド下の治療なども行っています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 37 6.86 3.93 2.7 59.78
080010xxxx0xxx 膿皮症 37 12.43 12.88 5.41 60.76
070071xx97xxxx 骨髄炎(上肢以外) 16 31.38 33.66 18.75 73.88
050170xx0320xx 閉塞性動脈疾患 15 56 48.82 46.67 76.8
050170xx9720xx 閉塞性動脈疾患 12 26.75 35.61 58.33 82.58
●指標の説明
診断群分類:患者さんの病名と行われた医療行為等の組み合わせにより様々な状態の患者さんを分類するものです。  
DPCコード:診断群分類を表すコードです。病気と治療方法の組み合わせによって分類されますので、同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは異なります。
●解説
当院は2004年に創傷ケアセンターを設立しました。形成外科、循環器内科、心臓血管外科とのチーム医療で、動脈硬化症に伴う血流障害(重症下肢虚血)による創傷、糖尿病性潰瘍、骨髄炎、褥瘡など慢性創傷の患者さんの治療に取り組んでいます。多くの患者さんの治療を行っていますが、治療内容や病状によりDPCコードが細分化され分散しています。転院率が高くなっていますが、これは透析患者さんが多く、治療後紹介元の病院に転院し治療を継続しているためです。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 98 19.96 25.50 72.45 84.86
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 32 20.03 21.96 31.25 75.84
160760xx97xx0x 前腕の骨折 25 5.8 4.76 8 65.24
070210xx01xxxx 下肢の変形 19 23.58 20.06 21.05 67.32
160720xx01xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼 15 15.73 14.00 46.67 77.33
●指標の説明
診断群分類:患者さんの病名と行われた医療行為等の組み合わせにより様々な状態の患者さんを分類するものです。  
DPCコード:診断群分類を表すコードです。病気と治療方法の組み合わせによって分類されますので、同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは異なります。
●解説
整形外科は骨、関節、靭帯、末梢神経、筋肉などの運動器に関わる疾患や外傷を治療する診療科です。当院では外傷を主とした一般的な整形外科治療に加え、足の外科専門の常勤医による、専門に特化した診療を行っています。1位の大腿骨頚部骨折患者さんについては、地域連携パスを使用しているため7割以上が回復期病院に転院しています。また圧迫骨折の患者さんも7割以上がリハビリテーション目的で回復期病院に転院しています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 27 11.41 19.34 59.26 83.56
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 12 16.42 15.70 41.67 72.5
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 12 13.08 15.66 0 69.25
160690xx02xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 12 21.83 19.32 33.33 80.75
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 8 13 9.86 25 78.63
●指標の説明
診断群分類:患者さんの病名と行われた医療行為等の組み合わせにより様々な状態の患者さんを分類するものです。  
DPCコード:診断群分類を表すコードです。病気と治療方法の組み合わせによって分類されますので、同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは異なります。
●解説
常勤医が着任して6年目を迎えました。脳神経外科一般の診療に加え、脊髄外科、脳血管内治療、難治性疼痛に対する脊髄刺激法など特色をもった治療を行っています。
※患者数が10未満の項目は非表示となっています。
放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010010xx9903xx 脳腫瘍 84 10.76 17.01 25 65.95
040040xx9902xx 肺の悪性腫瘍 61 9.95 19.11 4.92 76.26
060050xx97x2xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 46 13.37 24.46 2.17 75.46
070040xx99x2xx 骨の悪性腫瘍(脊椎を除く。) 32 12.88 20.05 25 70.22
060050xx9902xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 17 11.94 15.22 0 78.12
●指標の説明
診断群分類:患者さんの病名と行われた医療行為等の組み合わせにより様々な状態の患者さんを分類するものです。  
DPCコード:診断群分類を表すコードです。病気と治療方法の組み合わせによって分類されますので、同じ病気でも治療方法が違えばDPCコードは異なります。
●解説
当院は県内唯一のサイバーナイフ治療施設です。サイバーナイフとは、ピンポイントで癌だけを狙って放射線を照射する目的でつくられた、最新鋭の放射線治療装置です。2014年より本格的に肝・肺に対する定位照射を開始して約9年が経過しました。徐々に治療効果が認知されつつある状況で、癌拠点病院を中心に紹介患者が増加傾向にあります。また、2016年11月には最新機種であるサイバーナイフM6に更新され、他施設で困難な高精度放射線治療が期待されており、積極的に患者受け入れを行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 41 5 2 8 9 15 1 8
大腸癌 15 13 10 7 16 14 1 7,8
乳癌 0 0 0 0 0 1 1
肺癌 35 1 1 3 15 13 1 8
肝癌 9 0 2 2 10 51 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
●指標の説明
5大癌と呼ばれる胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者さんの人数を初発と再発に分け、初発はUICC病期分類にて分類しています。
○UICC病期分類
国際対がん連合(UICC)によって定められた、①原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の3つの要素によって各癌をⅠ期(早期)~Ⅳ(末期)の4病期(ステージ)に分類するものです。
○癌取り扱い規約に基づくがんのStage分類
癌取り扱い規約とは、日本で編集されている規約で、臓器別に国内の学会や研究会によって編集されています。どんな性質の癌なのかを組織や細胞の形などから分類しています。
● 解説
当院では質の高い医療を目指しており、早期から低侵襲性手術である腹腔鏡下手術を導入し、また現在でも多くの手術を腹腔鏡下で行っています。消化器センターの機能向上に伴って胃癌、大腸癌をはじめとした癌症例が増加しています。肝胆膵癌の患者数も増加しており、手術成績も良好です。外科的に手術した後の化学療法や定期的な内視鏡検査も行っており、患者さんに安全・安心な治療を総合的に提供しています。また、サイバーナイフセンターにて2014年より肝・肺に対する定位照射を行っており、徐々に治療効果が認知され、癌拠点病院を中心に紹介患者がさらに増加しています。乳腺外科がないため乳癌の件数は少なくなっています。ステージ分類が不明に分類されている症例は当該入院中の情報だけでは病期分類ができないためです。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 7 6.57 52.43
中等症 40 16.53 80.73
重症 20 27.9 87.15
超重症 5 20.6 87.6
不明 0 0 0
●指標の説明
市中肺炎:病院外で日常生活をしていた人に発症した肺炎のことです。院内での発症は含みません。
・重症度分類について
 A-DROPスコアにて分類しています。
 A:Age(年齢) 男性70歳以上、女性75歳以上
 D:Dehydration(脱水) BUN 21mg/dL以上または脱水あり
 R:Respiration(呼吸) SpO2<=90%(PaO2 60Torr 以下)
 O:Orientation(意識障害) 意識障害あり
 P:Pressure(収縮期血圧)  収縮期血圧90 mmHg以下
※5点満点で、1項目該当すれば1点、2項目該当すれば2点。
 軽症:0点の場合
 中等症:1~2点の場合
 重症:3点の場合
 超重症:4~5点の場合。ただし、ショックがあれば1項目のみでも超重症とする。
 不明:重症度分類の各因子が1つでも不明な場合。
●解説
中等症の患者が最も多く、約6割を占めています。中等症~超重症の分類では平均年齢が後期高齢者の年齢層になっており、年齢が上がると重症化していることがわかります。しかしながら、軽症での発症もあり、平均年齢も47歳であり、肺炎は高年齢層の発症だけではないようです。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 45 18.73 78.69 42
その他 5 13.2 80.8 6
2018年4月より脳神経外科常勤医師が着任し、脳血管造影、脳血管内治療ができる体制を整えました。バイプレーン血管造影装置を用いて、脳血管障害患者のカテーテル検査、くも膜下出血に対する脳動脈瘤コイル塞栓術、頸動脈狭窄症に対するステント留置術、急性期脳梗塞に対する血栓回収術が可能となり、2018年6月以降、各々の治療を開始しています。救急外来、MRI、血管造影室の動線・連携が良いため、スムーズな診療体制を築くことができています。院内で脳卒中を発症した患者さんの対応も速やかにできるようになりました。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 41 1.76 10.44 4.88 73.54
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 39 2.72 2.69 0 71.36
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 25 1 2.04 0 66.76
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 22 3.45 8.91 4.55 81.14
K5973 経皮的冠動脈形成術(その他) 14 1.36 1.71 0 72.57
手術術式の点数表コード(Kコード)で症例数の多い手術件数を各診療科別に集計しています。
慢性期の虚血性心疾患、急性心筋梗塞に対する経皮的冠動脈ステント留置術が多くなっています。また、当院では経皮的シャント拡張術・血栓除去術を循環器内科で行っています。これらのカテーテル治療は早期に自宅への退院が可能であり、かかりつけ医との連携を強化しています。また、動脈硬化に対する四肢の血管拡張術・血栓除去術は循環器内科でも行っています。他医療機関からの紹介が主となりますが、創傷ケアセンターのチーム医療のひとつとして行っています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)(2吻合以上) 32 6.5 16.53 15.62 67.78
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 21 1.05 14.05 9.52 72.9
K554-21 胸腔鏡下弁形成術(1弁) 15 3.53 10.6 13.33 63.2
K5601ニ 大動脈瘤切除術(上行)(その他) 15 0.73 21.53 73.33 74.07
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 14 3.14 6.64 71.14 78.57
手術術式の点数表コード(Kコード)で症例数の多い手術件数を各診療科別に集計しています。
心臓血管外科では、成人心臓血管外科手術を全般的に行っています。冠動脈バイパス手術は、大部分が心臓が拍動した状態で行っており、患者さんへの負担も少なく、術後早期にリハビリテーションを開始し、回復が早いのが特徴です。その後は、リハビリテーションのため回復期病院や紹介元の病院へ転院して治療を継続する患者さんが多くなっています。また、当院は、チーム医療のひとつとして創傷ケアセンターがあります。形成外科、循環器内科と連携しており、心臓血管外科では急性末梢動脈病変に対する血管バイパス手術を行っています。大半が他医療機関からの緊急紹介で入院となりますが、迅速に手術を行い早期の退院が可能となっています。弁膜症に対する弁置換術、形成術では、右肋間小開胸による低侵襲手術を積極的に行っており、完全内視鏡下手術も徐々に症例数が増えています。心臓血管外科は心臓大血管に対する手術が大きな役割ですが、当院の心臓血管外科は透析患者さんのバスキュラーアクセスの造設および管理も行っており、内シャント設置術、内シャント血栓除去術も当科で担っています。また、指標には挙がっていませんが緊急を要する大動脈瘤の手術も積極的に行っています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 124 1.41 6.14 6.45 67.83
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 50 0.28 2.74 0 68.1
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 46 0.78 1.48 2.17 71.07
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 45 9.13 17.4 53.33 79.04
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 25 0.56 3.52 0 48
手術術式の点数表コード(Kコード)で症例数の多い手術件数を各診療科別に集計しています。
外科では、低侵襲性手術である腹腔鏡下手術に力を入れており、腹腔鏡下胆嚢摘出術、鼠径ヘルニア手術が多くなっています。その中でも単孔式で行う術式は、患者さんの負担が小さく、整容性に優れたものであることが特徴です。年齢の若い方も大半が外来で術前検査を行い入院し、手術後の退院の予定が立ちやすいため、勤務の調整が必要な場合などでも計画的に行えるというメリットもあります。また、大腸ポリープや腫瘍に対する内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術、経口摂取が困難な患者さんに対する胃瘻造設術が挙がっています。内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術は、消化器内科の症例と合わせる年間250例以上実施しています。胃瘻造設術は主に他医療機関入院中での紹介が多く、術後は紹介元の医療機関と連携して転院が多くなっています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 303 0.3 1.03 0.33 68.53
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 60 0.32 3.67 0 66.98
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 40 0.3 13.28 5 82.4
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜) 34 0.47 7.41 2.94 77.35
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 27 0.33 4.22 0 68.19
手術術式の点数表コード(Kコード)で症例数の多い手術件数を各診療科別に集計しています。
消化器内科は外科と連携し消化器センターとして、主に消化管のポリープや早期がんに対して、内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術などを積極的に行っております。内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術は、外科の症例と合わせる年間と250例以上実施しています。内視鏡的粘膜下層剥離術も増加しており、県内屈指のがん治療症例数、成績を誇る消化器センターとなりました。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K084 四肢切断術(大腿) 37 22.11 44.51 59.46 76.16
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 24 11.42 43.33 33.33 74.29
K0503 腐骨摘出術(足その他) 16 0.94 25.56 6.25 70.63
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) 13 0.54 5 0 50.31
K0871 断端形成術(骨形成を要する)(指) 13 11.77 27.92 38.46 74.77
手術術式の点数表コード(Kコード)で症例数の多い手術件数を各診療科別に集計しています。
当院の形成外科には、動脈硬化や糖尿病による下肢の難治性創傷の患者さんが多く、創傷ケアセンターとして循環器内科、心臓血管外科とのチーム医療で下肢救済に努めています。全国でも屈指の創傷治療施設として認知されており、県内外から多くの紹介患者さんを受け入れています。四肢の血管拡張術は、実際手技を行っているのは循環器内科医です。下肢救済のため、形成外科に入院の後、循環器内科医がカテーテル治療である四肢の血管拡張術・血栓除去術で血流を改善したのち、治癒に向けて形成外科が創傷管理をすることも多くあります。下肢末梢動脈疾患指導管理加算により透析施設からの紹介も徐々に増え、循環器内科との連携により効率的に治療を行う体制を整えました。大腿や下腿の切断は最後の手段として、生命救済を目的とした治療として行っています。四肢切断術後は、専門の義肢装具士により患者さんに合った下肢装具を作成し、退院後の生活状況に応じたリハビリテーションを行います。重症の難治性創傷の患者さんは高齢者に多い傾向があり、当院での手術後は紹介元の医療機関へ転院して治療を継続します。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(上腕) 73 2.36 15.37 63.01 85.12
K0811 人工骨頭挿入術(股) 47 3.23 16.15 78.72 82.87
K0821 人工関節置換術(膝) 39 1.08 18.44 33.33 74.33
K0462 骨折観血的手術(下腿) 31 1.77 9 32.26 62.29
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(下腿) 24 0.58 1.92 4.17 59.21
手術術式の点数表コード(Kコード)で症例数の多い手術件数を各診療科別に集計しています。
当院の整形外科は救急病院の外傷センター的役割が強く、その中でも高齢者の転倒等で起こる、大腿骨頚部骨折や上腕骨折に対する骨折観血的手術や人工骨頭挿入術の症例数が多くなっています。入院後早期に手術が行えるように院内での連携の強化に努めています。入院直後よりソーシャルワーカーや退院支援ナースが介入し、患者さんご家族と相談しながら手術後のリハビリテーションを継続できるよう回復期リハビリテーション病院への転院調整を行っています。また、足の外科専門の常勤医による、専門に特化した診療も行っています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K142-4 経皮的椎体形成術 12 6.83 14 33.33 80.75
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 11 4.36 14.55 9.09 78.09
K1901 脊髄刺激装置植込術(脊髄刺激電極を留置) 9 1 6.33 0 60.78
K178-4 経皮的脳血栓回収術 7 1.71 17.86 57.14 77.57
K1342 椎間板摘出術(後方摘出術) 6 4.17 12.5 0 60.67
手術術式の点数表コード(Kコード)で症例数の多い手術件数を各診療科別に集計しています。
脳神経外科一般の診療に加え、脊髄外科、脳血管内治療、難治性疼痛に対する脊髄刺激療法などを行っています。脊髄疾患は、他診療科または連携医療機関からの紹介を中心に腰椎疾患、頚椎疾患の手術治療を行っており、椎体圧迫骨折に対する経皮的椎体形成術を開始しました。また、脳血管造影、脳血管内治療ができる体制も整えました。脊髄刺激療法は、脳脊椎疾患により起こる難治性疼痛を緩和する治療であり、近年本邦で広がりつつありますが、大分県内では当院が最も症例数が多いです。ペインクリニックからの紹介を中心に症例が集まっています。
※患者数が10未満の項目は非表示となっています。
放射線科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 56 1.18 9.05 0 74.68
K509-3 気管支内視鏡的放射線治療用マーカー留置術 10 0.9 3 0 70.8
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) 1 1 1 0 43
K654 内視鏡的消化管止血術 1 4 8 0 69
K6822 胆管外瘻造設術(経皮経肝) 1 10 11 100 71
手術術式の点数表コード(Kコード)で症例数の多い手術件数を各診療科別に集計しています。
県内唯一のサイバーナイフ治療施設であり、2014年からは本格的に肝・肺に対する定位照射を開始しました。それに伴い、経皮的放射線治療用金属マーカー留置術が比較的多く行われています。2016年11月に最新機種であるサイバーナイフM6が導入され、他施設で困難な高精度放射線治療が期待されています。
※患者数が10未満の項目は非表示となっています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 0 0
異なる 1 0.02
180010 敗血症 同一 3 0.06
異なる 7 0.15
180035 その他の真菌感染症 同一 0 0
異なる 0 0
180040 手術・処置等の合併症 同一 28 0.59
異なる 2 0.04
播種性血管内症候群(DIC)は、さまざまな重症の基礎疾患により全身の血管内に血栓ができる病態です。
敗血症は血液が細菌に感染することにより全身に炎症を起こす病気です。
手術・処置等の合併症の大半は、手術後に手術創に感染が起こってしまう術後感染症などでした。手術や処置などは合併症を起こさないように細心の治療を払って施行していますが、合併症は多くはありませんが、どうしても一定の確率で起こり得ます。起こり得る合併症については事前に患者さんへきちんと説明した上で手術、処置の同意をいただくように努めています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
563 526 93.43
国内において、肺血栓塞栓症を発症した場合の院内死亡率は14%と報告されています。そのうち40%以上が発症1時間以内の突然死であるとされており、臨床診断率の向上だけでは予後の改善は達成できないといえます。よって、発症予防対策が必要不可欠です。当院では、肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した入院患者さんに対し、高い割合で予防対策を実施しております。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
703 674 95.57
血液培養は 1 セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2 セットで行うことが診療ガイドラインにより推奨されています。このことから血液培養2セット実施率は診療プロセスが各種ガイドラインに則り、適切に構築・実施されているかを表す指標とされています。当院では、高い割合で複数セットを実施しております。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
226 208 92.04
感染症診療において原因となる微生物を特定し、それに対する治療を行うことは大変重要なことです。特に経験的治療として幅広い範囲の細菌を標的として抗菌薬を開始する場合は、投与開始前に培養検査が必要とされております。当院におきましては、広域の抗菌薬を使用する際には事前に各種培養検査を行っており、原因菌が判明後は標的治療として狭域の抗菌薬へ変更を行うことで確実な効果が得られるとともに耐性菌の出現をできるだけ抑えるよう尽力しております。
更新履歴
2024/9/27
令和5年度病院指標を公開しました。