大分岡病院
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脊髄の病気 – 脳神経外科

脊髄の病気

  • 頚椎症性脊髄症
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 椎体圧迫骨折

頚椎症性脊髄症

  • 頚椎症性脊髄症は、加齢などによって、少しずつ首の骨が変形し、脊髄神経が圧迫される病気です
  • 脊髄は、背骨の中を通っている太い神経です
  • 脊髄には、脳からの命令を伝えて手足を動かす役割と、手足からの感覚を脳に伝える役割があります
  • 特に頚椎では、手の神経も、足の神経も通っているので、病気によって、色々な症状が現れます

頚椎症性脊髄症の症状

典型的な症状は、4つです

  • ①手足がしびれる(ビリビリ、ジーンなど)
  • ②手で細かい作業ができない(箸が使いにくい、ボタンがかけられないなど)
  • ③歩きにくい、階段が降りにくい(ふらつく、足が突っ張る)
  • ④転倒後に、急速に手足が動きにくくなる

頚椎症性脊髄症の検査

医師による神経診察で、神経の働きに異常がないかを調べます

その後に、画像検査を行います

  • MRI検査 ︓診断に最も有効です(脊髄神経そのものを確認することができます)
  • ②X線検査︓骨の状態を確認するために行います
  • ③CT検査︓骨の状態を確認するために行います
  • 脊髄造影検査(ミエログラフィー)︓手術を検討する場合に行う、より詳しい検査です

頚椎症性脊髄症の治療

軽症

  • 症状が軽微、脊髄の圧迫が軽度の場合
  • 経過観察または内服薬による治療を行います

中等症

  • はっきりした症状があり、脊髄の圧迫が明らかである場合
  • 進行予防のために、手術を検討します

重症

  • 症状が重く、また脊髄が強く圧迫されている場合
  • 手遅れにならないように早期の手術が望ましいです
  • 頚髄は、脳と同じ中枢神経であり、1度障害されると、回復しにくいため、重い症状でなくても、脊髄が強く圧迫されている場合は、予防的な意味も含めて手術を行うことがあります
  • 手術を行わない場合、急速に症状が進行することがあります(個人差あり)
  • 頚椎症性脊髄症の手術は、脊髄の通り道を広げて、圧迫をとるものです
  • 手術には2種類の方法があります
  • 首の前から行う方法と、首の後ろから行う方法です
  • 脊髄が圧迫されている状態によって、手術の方法を選択します
  • 首の前から行う方法:頚椎前方除圧固定術
  • 首の後ろから行う方法:頚椎椎弓形成術
  • 術後は1週間程度、頚椎カラーを装着します

腰部脊柱管狭窄症

  • 腰部脊柱管狭窄症は、加齢などを原因として、腰の部分で、脊髄神経が圧迫される病気です
  • 「脊柱管」とは、脊髄神経が通っている背骨の中の空間のことです
  • 「狭窄症」とは、狭くなるという意味です
  • この病気では、脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されます
  • 狭くなる原因は、加齢によって、骨、靭帯、椎間板などが変形するためです
  • 腰の部分では、脊髄は馬尾神経という細い神経になっています
  • 馬尾神経は、お尻や足に関係する神経です
  • このため、この病気では、お尻や足に症状(痛み・しびれ)が出ます

腰部脊柱管狭窄症の症状

典型的な症状は、3つです

  • ①間欠性跛行(かんけつせいはこう)
    • 最も典型的な症状
    • 歩くと足がしびれたり痛くなる。座って休憩すると回復する
  • ②立っているだけでも、足がしびれたり痛んだりする。座って休憩すると回復する
  • ③進行すると、排尿の障害がでる(尿漏れ、尿が出にくい)

腰部脊柱管狭窄症の検査

  • 医師による神経診察で、神経の働きに異常がないかを調べます
  • その後に、画像検査を行います
    • MRI検査:診断に最も有効です(脊髄神経そのものを確認することができます)
    • ②X線検査:骨の状態を確認するために行います
    • ③CT検査:骨の状態を確認するために行います
    • 脊髄造影検査(ミエログラフィー):手術を検討する場合に行う、より詳しい検査です

腰部脊柱管狭窄症の治療

軽症

  • 症状が軽微、脊髄の圧迫が軽度の場合
  • 神経の微小血液循環を改善する内服薬で治療します

中等症

  • 典型的な症状があり、脊髄神経の圧迫が明らかである場合
  • 手術による症状の改善が期待できるため、積極的に手術を行います

重症

  • 症状が重く、また脊髄が強く圧迫されている場合
  • 手遅れにならないように早期の手術が望ましいです
  • 腰椎の神経は細い末梢神経です
  • 中枢神経である脳、頚髄に比べ、治療による改善が得られやすい特徴があります
  • タイミングを逸せずに治療を受ける必要があります
  • 腰部脊柱管狭窄症の手術は、脊髄の通り道を広げて、圧迫をとるものです
  • 手術方法:腰椎椎弓形成術
  • 10日程度の入院が必要です(術前に検査入院を行うことが多いです)
  • 順調にいけば、外来を含め、術後3か月で治療が終了します